痛み止めや湿布は意味がない?
A. そんなことはありません。症状や状態に合わせて適切に上手に利用してください。
痛み止めや湿布は一時しのぎの対症療法(痛みという症状に対する療法)であって、痛みの根本を治療するものではないから意味がないのではないか?ということだと思いますが、痛みや不快感が軽減するとそれだけでまず日々の生活がしやすくなります(“生活の質・QOLが上がる”と言います)。
また、痛みが軽減していることで出来ることが増え、可動域を広げたり筋力を増強したり姿勢を改善できたりして、根本原因の解消を助けてくれることもあります。
もちろん、湿布や薬に頼る必要が本当にないのであれば使わないに越したことはないと思います。対症療法として飲む薬にも副作用があるからです。
例えば痛み止めというとよく出てくるロキソニンやボルタレンやインドメタシンなどといった「非ステロイド性抗炎症薬」は、胃粘膜の保護や血小板の凝集(血液が固まりやすくなる)などに関わる酵素のはたらきを阻害する作用があるので、漫然と使用し続けてしまうと胃腸障害や腎障害,出血傾向などの副作用を起こすことがあります。とにかく使用は適切に、長期に使用する場合は専門家への相談が必要です。
使用しなくてもいい例としては、頭痛の中には水分を摂取するだけで改善するものや、首から肩のあたりをゆっくり動かして血行が良くなるだけで軽減するものなどがあります。首や肩のコリそのものや一部の腰痛についても、ゆっくりした動きやストレッチなどをこまめに根気よくおこなうことで軽減,消失していくものがあり、それについては非ステロイド性抗炎症薬を使わない方がいいケースもあります。
「カイロプラクティックの背骨の矯正(アジャストメント)は根本の解決に繋がりそう」と考えていただけるのは嬉しいことで、カイロプラクターもそのお手伝いができるように最善を尽くしますが、背骨の矯正で神経のはたらきがととのうことで治癒してくれるのは自分自身のからだ/そこに備わっている自然治癒力ですから、ぜひ痛み止めを利用したりカイロプラクティックのケアを受けたり気持ちよく動かしたり休めたりして、いたわってあげてください。
(M)