冷え性・冷え症
秋も深まって、日中でも体感温度が「涼しい」から「寒い」に変わってきました。スターカイロにいらっしゃる方とも「着るものに悩む」「毛布や羽毛布団をいつ出そうか」などというお話を最近よくします。
あわせて、改善したいからだの悩みとして「冷え性(冷え症)」を挙げる方・特に女性が増えてきています。
冷え性は、西洋医学的な病名ではなく病気としては扱われていません。明確な定義もありませんが、全身の冷えの他に、手足・さらに指先など末梢だけが冷たくなる場合や、体の芯が冷える感じ、腰や肩に冷えを感じるというパターンもよくみられます。
なぜこのようなからだの冷えが起こってしまうのかというと、体内での熱の産生量=産熱量が低下することが主な原因です。人間は、体内で熱の産生をおこない、体からの熱の放出は抑えることによって、外気温が下がっても体温を36~37℃前後に保つことができていますが、この産熱が低下して放熱とのバランスが乱れると「冷え性」というからだの状態になってしまうのです。
産熱の方法は以下の5つです。
1.基礎代謝
2.筋肉の収縮(ふるえ産熱を含む)
3.食事誘発性産熱反応(消化管運動と代謝の増加による産熱)
4.非ふるえ産熱(肝臓などの臓器で起こる)
5.ホルモンの作用(甲状腺ホルモンやカテコールアミン類、黄体ホルモンなどによる代謝促進)
女性は男性と比べて筋肉の量が少ないため、基礎代謝に含まれる分も入れて筋肉の収縮による産熱が少なめです。デスクワークなどであまり筋肉を使うことがない方ではますます少なくなってしまいます。
さらに女性ホルモンなどの分泌が乱れると、産熱がさらに少なくなるばかりでなく、自律神経の働きも乱れて症状が強まることがあります。
自律神経の乱れによって交感神経優位の状態が続くと、血行が悪くなったり、外が寒くても末梢の血管が収縮してくれなくなって熱がどんどん体から逃げてしまったりして冷えの原因をつくります。
また、血行不良はコリをまねき、コリは筋肉の収縮を妨げてさらなる血行不良に陥るという悪循環によってからだの冷えを助長します。
運動して筋肉の収縮する機会を増やしたり基礎代謝を上げたりすることが冷え性のケアに有効というわけですが、パッシブケアとしてカイロプラクティックの施術もお役立てください。背骨の矯正をすることで、コリを改善したり、筋肉や自律神経のはたらきをよくしたりするお手伝いをします。
2018/10/16 M