[Topic]巻き肩
首肩こり、あるいは腰痛があって、ご自分の「猫背が気になっている」と言ってスターカイロにいらっしゃる方の多くが「巻き肩」も併発しています。
猫背にもいくつかタイプがありますが(詳しくは猫背の記事①,猫背の記事②,猫背の記事③などをご参照ください)、いずれも背中が反らしにくく丸まりやすくなっているといういわば背骨(胸椎部分)の可動域が少なくなっている状態で、首の筋肉や股関節周囲の筋肉がかたくなっています。
それに対して巻き肩は肩(上腕骨頭,鎖骨,肩甲骨)が前方にスライドして突き出ている状態です。胸の筋肉(主に大胸筋の奥にある小胸筋)と肩関節周囲の靭帯がかたくなり、肩甲骨を安定させる筋肉(主に前鋸筋,中部と下部の僧帽筋)が弱くないます。
このため、巻き肩になると肩や腕、肩甲骨周囲の動きが制限されて血流も悪くなり肩こりの原因になったり、より重症な場合にはかたくなった胸の筋肉が首から腕に向かう神経を圧迫して手のしびれが起きてしまう「胸郭出口症候群」の原因になったりすることもあります。
さらに、胸の筋肉が過剰に緊張していることで肋骨の動きも制限されるため、息を吸うときに胸郭がひろがりにくくなって呼吸が浅くなる・息苦しく感じるということも起こります。そうなると肋骨にくっついている首や肩の筋肉を使って胸郭を広げようとするためそれもまた首肩こりの原因になります。
また、猫背をなおそうと背すじを伸ばしてみても、巻き肩になっていると胸の筋肉と背筋が前後で引っ張りあって息苦しさが増したり、胸の筋肉が伸びずに神経を締め付けて手のしびれが起こったりする可能性もあります。あるいは背中が伸びないのを「腰を反らす」という動きで代償してしまい、「猫背」の解消につながらないばかりか腰を痛めてしまうこともありますので注意が必要です。
それらを避けて巻き肩を解消するためには、小胸筋を柔軟にし、肩甲骨を安定させる筋肉を強くして腕と肩・肩甲骨の可動域を維持することが大切です。
小胸筋に関係のある背骨は下部頚椎~頚胸移行部であり、その部分含めた上下の背骨やもう少し上の頚椎は前鋸筋や僧帽筋と関係があります。つまり、巻き肩の方は首から背中にかけての背骨に問題があることが多いので、カイロプラクティックでは特にその部分をしっかりチェックして矯正をおこないます。
PC作業などのデスクワークや家事育児、スマートフォンなどの端末の操作など、前にかがみこむ姿勢で過ごすことが多くなっているばかりでなく、寒さに体を縮こまらせることも巻き肩を助長します。
冬は暖かくして、仕事やスマホでの息抜きの合間に手のひらを外側に向けて胸を開くなど胸と肩周囲のストレッチをしたり、スターカイロに相談にいらしたりしてください。
(M)