起立性調節障害
朝起きるときや立ち上がるときに、めまいや動悸や失神などが起こったり、そのまま午前中は調子が悪く、午後から夜にかけて元気になってきたり、立っていると気持ち悪くなったりしてしまう…それはただの「怠け病」ではなく、起立性調節障害かもしれません。
10代頃の思春期前後の子どもに多くみられる病気で、朝なかなか起きられずに不登校につながることもあります。顔面蒼白,食欲不振,頭痛,倦怠感などの症状が現れたり、集中力や思考力が低下したりします。
起立性調節障害は、自律神経の機能が低下し、心臓のはたらきや血流といった循環器系の調整がうまくいかなくなっている身体の病気です。
自律神経は交感神経と副交感神経とがあって、活動と休息に合わせてどちらかのはたらきが高まったり抑えられたりしてバランスをとっています(より詳しくはこちらのページへどうぞ)。
通常人が起立する場合は交感神経のはたらきが高まり、重力で血液が下りていく下半身の血管を収縮させて、心臓に戻る血流量を増やし血圧を活動に適した高さに維持しています。
この交感神経のはたらきが低下すると、立ち上がっても心臓へ戻る血液量が増えず、血圧や脳血流が低下したままになって、めまいや動悸や失神などといった症状が引き起こされるのです。
薬物療法の効果は低く改善が見込めないケースが多いため、日常生活や行動の改善から取り組むことが推奨されます。
具体的には、早寝を心がける,水分を1日あたり1.5〜2ℓ摂るようにする,運動を増やして筋肉をはたらかせるようにする,立ち上がるときは頭を下げてゆっくり動くようする…などが起立性調節障害の改善に効果があります。
カイロプラクティック的には、自律神経のはたらきが低下している場合、背骨にも問題があると考えます。特に交感神経の神経線維は胸椎〜腰椎の左右それぞれの椎間孔(背骨の関節の間の穴)から出てすぐのところに交感神経幹という交感神経が上下に連絡している神経節の鎖があり、その部分の背骨のゆがみの影響を受けやすいと考えられます。
背骨のゆがみのせいで、そもそも筋肉を動かしにくかったり脳に血液が届きにくくなったりしていて生活や行動などの改善が困難なことも珍しくないと思いますので、そのような場合にお役に立てればと思い記事を書いています。
(M)