殿部(臀部)痛 お尻に生じる違和感

座っている時間の長い生活で、お尻に筋肉痛とは違う痛みやだるさなどを感じることは珍しくありません。
立ち上がって動いているうちに消えていくものであれば、正座したときの足のシビレと似たような現象かと思いますので問題ありませんが、立っていたり動かしたり歩いたりしていても痛いようだと何か問題が起こっているなと心配になりますね。

お尻・殿部の痛みと言うと真っ先に挙げられるのは坐骨神経痛です。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄、あるいは梨状筋や大腿方形筋などの殿部の筋肉によって坐骨神経が圧迫,絞扼など刺激を受けて、神経の走行に沿って痛みや痺れや灼熱感、張りや締めつけ感が生じるものです。
坐骨神経を絞扼してしまうようなヘルニアや狭窄、あるいは筋肉の問題が起きているということは、その部分に余計な負担がかかるような姿勢の崩れや背骨の問題があるからです。骨盤や背骨のゆがみをチェックして矯正をおこない椎間板や脊柱管にかかる負担を軽減することや、負担の少ない姿勢をとれるようなバランスにととのえることで改善していくケースは多いです。

坐骨神経痛ほどではなくても、座っているとだんだんお尻の片方だけに痛みや痺れのような違和感が出てくるという場合もあって、背骨や骨盤のゆがみ・傾きがあるために、症状が現れる側のお尻に体重負荷が多くかかっていて組織が何かしらの損傷を受けていると考えられます。
座っているときに脚を組む人,おへそがやや上に向いている人は特に、骨盤全体が後傾した姿勢になったり、片側の骨盤(腸骨)が傾いたりして殿部に余計な負荷がかかりやすいので注意が必要です。
そうなると、殿部の筋肉自体が、不自然に圧迫され続けることによりトリガーポイントを生じたり、座面に当たっている部分で坐骨神経や後大腿皮神経が圧迫を受けたり、坐骨の滑液包が炎症を起こしたりすることもあります。
大殿筋,中殿筋,梨状筋は付着部が少しずつ違いますが、トリガーポイントとその関連痛はいずれも(それぞれの付着部に応じた)殿部痛として感じられます。
特に日本民族はお尻の筋肉(大殿筋)が欧米やアフリカ大陸の人たちと比べて扁平で発達しにくいと言われており、それが猫背姿勢になりやすい原因のひとつとなっていて、ますます座り姿勢が崩れやすく、背骨や骨盤がゆがんで殿部に負担がかかりやすいのではないかと考えられます。

仙腸関節の問題によって生じる殿部痛というものもあります。
仙腸関節に微小な不適合(いわゆる骨盤のゆがみといわれるもの)が生じると主に仙腸関節を中心とした痛みが起こり、関節そのものや関節周囲の組織が過敏になって殿部にも痛みを生じます。
仙腸関節の問題をそのままにしておくと、梨状筋症候群や中小殿筋症候群、あるいはトリガーポイントといった他の問題を引き起こすことにもなりますので、この場合もカイロプラクティックではゆがみや傾きをただしていくことで負荷を軽減し、関節や筋肉のはたらきをよりよい状態にすることで症状の改善することを目指します。
(M)


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