同じところに繰り返す痛み
手首の腱鞘炎やテニス肘・ゴルフ肘や野球肩などのように、明らかにその部分をたくさん使ったというわけでなくとも「たくさん歩いた後右膝だけが痛くなる」「重いものを持つと腰痛はいつも左側」などというように、いつも同じところが痛くなることがあります。
「痛むところをあまり動かさないように」というアドバイスを受けて安静にしていたら痛みがなくなるという事もよくあります。オーバーユース(使いすぎ)によりその部分の組織(筋肉や腱や関節など)が傷付き,炎症を起こしていた場合です。
筋肉痛などのように、少しだけ過剰な負荷をかけた後に適切な栄養と休息を取るということを繰り返すことで強くなっていくというパターンもあります。
しかしそうでない場合の「安静にして痛みがなくなったと思って動かしていたらまた痛むようになった」部分に関しては、“そこに負荷がかかりやすい状態”をそのままにしていると、痛みの慢性化や関節の変性につながる恐れがあります。
動かして痛むようなところは前述のとおり損傷や炎症が起きている可能性が高いですから、いわゆる四十肩の凍結期などの例外を除いて痛むその部分に直接施術することは症状の悪化につながるリスクが高いです。ですから、身体の傾きや捻れ,重心のかたよりなどのゆがみや、筋力の低下あるいはアンバランスなど、その部分に過剰に負荷がかかる原因を見つけてゆがみの矯正や筋力アップの対策が必要です。
一方、肩コリや一部の腰痛および関節痛のように、動かしはじめは痛むものの動かしているうちに痛みが多少軽減するというところは、長時間動かさないことによる弊害…たとえば関節の潤滑油(滑液)の分泌がわるくなっていたり、筋肉の柔軟性が低下して血流がわるくなっていたりすることによる痛みであると考えられますのでその部位そのものが“動きやすくなるように”積極的にアプローチをおこないます。そしてこの場合でも、いつも“こる”ところが同じ・また繰り返すということは、姿勢のクセやゆがみがあるはずなのです。
(M)