関節を動かすとパキパキポキポキ鳴るのは大丈夫?
関節が鳴ること自体はめずらしいことではなく、痛みがなくて、別の問題によって生じている音でない限り心配ありません。ただし、痛みや強い引っかかり感を伴う場合や軟骨組織に摩耗が起きて鳴る軋轢音などは放置してはいけません。
まず、ポキポキ音は「関節の骨」が(ぶつかるなどして)鳴っているわけではありません。背骨を矯正したときや指をグッと握り込んだときなどに鳴るパキッというような音は、関節包内の圧が急に変化することによって関節液(滑液)の中で気泡が弾ける音です。
痛みのない肘や膝を曲げ伸ばししたときに鳴る音も同様の機序であることが多いので、あちこちの関節がポキポキ鳴るといっても痛みや脱力感などの問題が何もない場合には体に害はないでしょう。ただし、筋力や筋肉の柔軟性が低下したり関節が硬くなったりした結果鳴りやすくなっていたり、筋トレやエクササイズなどをしている時に常にポキポキ鳴ったりする場合は、フォームや方法などを見直したり、ストレッチを念入りにおこなったりする必要はあると思います。
膝は曲げ伸ばしをすることで特にパキパキ鳴りやすい関節です。痛みがなければ問題ありませんが、膝にばかり強い負担をかけないように筋力バランスや動かし方を見直すと良いでしょう。
痛みを伴う場合は、棚障害や半月板の損傷、変形性関節症などが考えられますので、強い運動は中止して整形外科を受診してください。運動や保存療法を処方された場合はカイロプラクティックの施術も効果的なサポートになると思います。
肩を回したときに音が鳴るのは、肩関節周囲の筋肉(回旋腱板など)や靭帯がこすれたりぶつかったりしている可能性があります。特に棘上筋のインピンジメントや損傷,上腕二頭筋(腱)炎などが考えられる場合、その筋肉や靭帯に余計なストレスがかかっているということなので、今は痛みがなくても、可動域や動かし方,姿勢などを見直す必要があるかもしれません。首肩や肩甲骨の回りにコリや動かしにくさを感じている人,重いものの上げ下ろしやスポーツをする時に痛むことがある人などは無理にその動きをせずに整形外科や専門機関で診てもらうことがおすすめです。頚椎や胸椎の可動制限や“ねじれ”が肩関節の可動域や筋肉の問題に関わっているケースも多いです。
痛みがなく音が鳴るのも一時的であれば、もちろん問題がないケースもあり、可動域を広げるリハビリやストレッチなどによって靭帯や腱のこすれる音は鳴らなくなります。
股関節がゴリゴリ鳴る場合も同様に、外側あるいは内側の筋肉や腱と大腿骨とがこすれたり引っかかったりしている可能性があります。日常で股関節の曲げ伸ばしが多い,走っていると痛くなってくるなどという場合は、外側なら腸脛靭帯,内側なら腸腰筋やその周囲の組織が傷付いているかもしれません。場合によっては安静にしたりストレッチをしたり、それでも改善しなければ腰椎や骨盤の“ゆがみ”を矯正したりして、バランスをととのえます。
(M)