タグ: 坐骨神経痛, 脊柱管狭窄症, 間欠性跛行
「歩くとしびれと痛み 腰椎脊柱管狭窄症」(60代男性 コンサルタント)
3週間ほど前から歩行中に突然、両側の坐骨辺りから大腿(ふともも)の後面が突っ張るように痛くなる。整形外科でレントゲンを撮ると退行性変性で骨棘が何カ所か形成されており全体として軽度の側弯もある「腰椎脊柱管狭窄症」であると診断された。週に3回程度通い薬(痛み止めと血管拡張)と牽引治療などを受けているが、良くならず今では3~5分程度歩いただけで症状が出るようになってきたため来院した。
初回来院時の状況
患者の主訴は間欠性跛行である。歩き始めて5分程度で、両側の臀部(お尻)から大腿部(ふともも)後面及びふくらはぎからアキレス腱にかけて突っ張るような強い痛みが発症すると言う。程度は右側の方が強いとの事。
検査では、体幹の伸展による症状の僅かな誘発、両側膝蓋腱反射+1、両側のアキレス腱反射の消失が観られた。その他、現病歴として過去10年境界性糖尿病に対する薬物治療を受診されていたため、足背動脈及び後脛骨動脈の拍動低下(触知困難)を確認し、脊柱管狭窄症による間欠性跛行とASO(閉塞性動脈硬化症)を疑って、MRI撮影を依頼する。
【MRI診断】
「腰椎椎間における骨棘形成、椎間板膨隆による硬膜嚢の圧排、L4/L5黄色靭帯の肥厚、硬膜嚢の全周性拘扼が認められる『変形性脊椎症による腰椎脊柱管狭窄症』の診断」を受ける。
施術内容及び経過
基本的には腰部の過伸展を避け中間位でのバランスを整えたかったため、腰椎のサブラクセーションに対するアジャストメントに加え、腰仙部の状態にも注意し腸腰靭帯などに対する治療も行なう。患者にも過伸展を避けるように指示し、その他の動きで構成されるホームエクササイズを与える。
治療効果は比較的すぐに現れ、症状の軽減には思ったほど時間はかからなかった。週1回の治療4?5回目の頃には日常生活ではほとんど症状が出なくなったとの事。しかし、完全に症状が消失するまでには至らず、全身のバランス等を診ながら月1回の継続治療をする。
基本的に症状を訴えることはなくなったが、疲労状況等によって若干の問題を訴えることもある。
担当者コメント
脊柱管狭窄症によって間欠性跛行(坐骨神経痛など)を訴える方の場合、この方のように黄色靭帯の肥厚など軟部組織の問題によって脊柱管が狭窄されている場合などは比較的予後は期待できます。骨棘や辷り症など骨自体の問題が主原因の場合には状態によっては改善は難しい事もあります。また、施術だけでなくホームエクササイズや日常気を付けて頂くことなどがあるため、この方のようにしっかりと守って頂けると改善も期待できると思います。(T)
№S16003
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